みんな山が大好きだった

単行本題「山男たちの死に方 雪煙のかなたに何があるか」


「死をもルールのなかに含めて壮大なゲームを展開」したアルピニストたちの山との壮絶な闘いを描いています。
文中で山際さんは、軟弱になってしまった現代人への厳しいメッセージを数多く残しています。文調はいつになく強く、時として 過激です。後年の軽快な文章に慣れていたので、すこし面食らってしまいました。書かれた時期(1983年)から推測すると、 山際さん自身が、「スローカーブを・・・」の山際淳司としてのイメージを振り払おうとした時期なのかもしれません。(生意気な憶測で すいません。)
文庫化にあたり、単行本のタイトルが「あまりにも強烈すぎる」ということで「みんな山が大好きだった」に変更したそうです。 しかし、この本は紛れもなく「山男たちの死に方」だと思います。それぐらい力強く強烈な言葉を読者に投げかけています。
「生きる」とは、「死ぬ」とは、「自由」とは、「孤独」とは、「幸せ」とは、「不幸」とは・・・・。

最後に、今の私自身にとてつもなく響いてきた言葉を紹介させてください。
「現状維持を旨とし、動き出そうとしない人間は、常に現実に拘束されている。そこからもう一つの世界に向けて旅立とうとするとき、 初めて自由が手に入る。目的を達成してしまうと、そこからまた現実が出てくる。常に自由でありつづけるためには、意識を眠らせず、 新たな目標にチャレンジしつづけることなのだ。
(中略)
もう一つの世界に向けて走ることは、あらゆる人間に可能である。芸術家は常にそれをしているし、スポーツマンのなかにも"自由"を 追い求めている人はいる。ビジネスの世界においても、不可能ではない。意識を眠らせないことだ。常にパワフルに、己を チューン・アップしておくことだ。慣例とやらに縛られないことだ。つまり、クリエイティブでありつづけることが肝心なのだ。」

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