日高 ポンチロロ川〜幌尻岳



日高 ポンチロロ川〜幌尻岳  2002年6月22日〜23日 笹平



 大洗からフェリーに乗り、低気圧の中心と共に北海道へ進んだので、海はずーっと大荒れだった。1日かけて苫小牧に到着し、さすがに北海道は寒いと感じたが、どうやら低温注意報が出ているようだ。

 まずは、日高に向けて車を走らせる。広い北海道を走るには、やはりスポーツカータイプの車に限る。日高町は、山のど真ん中にある小さな町だった。駐在所に計画書を提出して、ついでに営林署の場所を聞く。道路から少し入り込んだ所にある営林署で林道の状態を聞き、ゲートの鍵を借りて行く。

 国道から千呂露川沿いの道に入り、10km行った所に営林署のゲートがあった。ここからオフロードをさらに10km行くと、北電のゲートがある駐車場に到着する。ここは10台くらいの駐車スペースがあり、この先林道は二俣に分かれていて2ヶ所ともゲートが閉まっていた。時間があったので、すぐ下の川で釣りをしてみると、いい型のオショロコマが何匹か釣れた。


営林署のゲートを開けて先に進む オフロードもガンガン走れる 180SX




 6月22日 翌日、今にも雨が降りそうな天気だった。左側の林道を歩き出すと、早くも熊の糞を発見する。1時間ほど歩くと取水口のあるダムに着いた。ここで林道は終り、この先は踏み跡程度の道になるが、道もすぐに無くなるので千呂露川を遡行する。ザックに付いている熊鈴は沢の音でかき消され、絶えず笛を吹きながらの遡行となる。水量は膝下程度だが意外と時間がかかるので、右岸や左岸に所々現れる道を利用して行く。

 ポンチロロ川の出合には良いテン場がある。だいぶ前の物と思われる焚き火跡があった。近くで竿を出してみるが、何も釣れない。ポンチロロ川に入ると水量も減り、中途半端な道を歩くより遡行して行く方が早い。たまに出てくる滝は簡単に巻けるので、特に難しい所も無い。1250m辺りで沢が三俣になり、少し迷う。地形図と磁石で入念に調べてから、真ん中の沢を詰めて行く。

 1500m辺りから雪渓が現れ始めた。沢靴から登山靴に履き替え、アイゼンを付けて行く。傾斜も急になり高度を稼いで行くと1700m辺りで雪渓は消えてしまい、ガレ場に変わる。稜線のコルにめがけて方向を修正して進むと、少し平らな所にテン場の跡があったが、周りには熊の掘り返した跡が沢山あり恐ろしい所だった。ここから稜線までは眼と鼻の先なのだが、這松が邪魔をしてかなり苦労した。

 ピパイロ岳までピストンするため、熊よけスプレーを手に持って、ザックは近くの岩の所にをデポして行く。1911のピーク辺りから岩稜になり、ピパイロ岳頂上も岩に覆われている所だ。熊にザックを取られていないか心配だったが、無事で何よりだった。稜線のコル付近には所々テントが張れるスペースがあるので、雪渓が残っている所にテントを張った。


標高1500m付近のポンチロロ川 稜線にテントを張る



 6月23日 朝起きると、近くの木には樹氷が付いていたので気温を見ると、−2度になっており結構冷えていた。辺りはガスっていて天気は良くない。1967のピーク付近は雪渓が多く残っている所があり、登山道が雪で埋まっていて判りずらい。ピークを過ぎ高度を下げて行くと、一瞬ガスが晴れ渡り、下の方だけ見ることが出来た。

 やがて登山道は這松などに覆われ歩きにくくなる。雨が降っていなくても、露でカッパがびしょ濡れになる。北戸蔦別岳に着く頃には、小雨が降り始めた。沢の装備はここにデポして先に進む。戸蔦別岳のピークで天気予報を聞いていると、今回初めて人と出会った。地元の山岳会の人たちで、幌尻山荘から上がって来たと言っていた。残るは、この先にある幌尻岳を目指すだけになる。

 這松で歩きにくい道を行くと左側には、七ッ沼カールが広がり眺めが良い。手前のピークを登った所でザックをデポして、幌尻岳へ向かった。やっと100名山の幌尻岳に着く事が出来た。周りには誰もいない静かな頂上だった。ここで雪が降りだした。今日は七ッ沼カールに泊まる予定なので、まだ多く雪渓が残っている七ッ沼カールの斜面を滑り降りた。全体的に湿っている感じで、熊の掘り返しがあちこちにある。この広いカールにたった一人で泊まるには、かなり勇気が必要なので今回は諦める事にする。適当な所を登り返して稜線に出ると、吹雪になっていた。


ハイマツには樹氷が付いてた 幌尻岳頂上
七ッ沼カールに降りる 雪が積もり始めた




 北戸蔦別岳に戻ると17時半になっているので、急いでデポしていた物をザックに詰め込んで下山を始める。ここからは登山道を下るので楽に行けると思っていたら、とんでもなかった。這松帯を抜けるとドロドロの急斜面がしばらく続き、その後は二ノ沢沿いの道になり何度か道が無くなるたびに渡渉して行く。もちろん笛は吹きっぱなしである。傾斜が落ち着くとデカイ蕗だらけの中に細い道があり、一見どこに道があるのか判らないといった感じがしばらく続く。すっかり暗くなった頃、北電の取水口に着いた。ここから林道を1時間歩くと駐車場に戻った。幌尻岳登山は、日高町側の二ノ沢ルートはかなり悪いので、幌尻山荘から入山するのがいいと思う。




6/22 駐車場(6:00)-ポンチロロ川出合(8:30)-稜線(13:30)-ピパイロ岳(14:30)-テン場(15:30)
6/23 テン場(6:10)-北戸蔦別岳(9:00)-幌尻岳(13:40)-北戸蔦別岳(17:30)-駐車場(20:50)