第7回


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 ほとんどかたちだけの定時連絡を終えたのち、ドクター・マッコイは不安げな表情の保安部員たちとブリーフィングをした。彼らには医療知識が皆無だったので、セキュリティの立場で異常と思われるものを惑星の記録から探り出すことを指示した。そのうちのひとりが「どんな種類の異常でしょうか」と質問したので、彼はかっとなって「そんなことは自分で考えろ」と怒鳴ってしまい、あとで自分自身がひどく情けなく思えてきた。簡単にシャワーを浴びて、彼は簡易ベッドにもぐりこんだ。
 疲れてはいたが、なかなか眠ることはできなかった。最悪の条件下での、最悪の調査。ウイルスや放射線にやられなくても、心労のためにダウンしてしまいそうだ。彼はカークのことを思い出した。いまではさほど恨みも感じなくなったが、目にもの見せてやりたいという気持にかわりはなかった。
 いったい何が原因なのだろう? キニーは患者と健康な者との差異を徹底的に調査して、詳細な記録をつくっていた。レナードもそれには目を通したが、発病の原因は特定できないままだ。つぎの定時連絡ののち、もういちど患者を直接診断するとともに、健康体の追跡調査もおこなうことにしよう。彼はそう考えながら、ごくごく浅い眠りにおちていった。

奇蹟(ミラクル)のM


弾射音
連載小説
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2002/6/2

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