我が家の楽園

YOU CAN'T TAKE IT WITH YOU

1938年アメリカ映画 コロンビア
  白黒 127分

監督 フランク・キャプラ
出演 ジーン・アーサー ライオネル・バリモア
     ジェームズ・スチュアート エドワード・アーノルド
 アン・ミラー スプリング・バイイントン
 ドナルド・ミーク ミシャ・オウア
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2004/3/6

ヴァンダホフ老人を家長とする一家は、一風変わった大家族。娘のペニー・シカモアは戯曲を書いていて、その夫は発明家。その娘たち、エシーは踊りにのめり込んでいてその夫のエドは何だか音楽を奏でている。アリスだけが大会社に勤めている。他に、発明にのめり込むデピナやポピンズが同居していて、エシーの踊りの教師コレンコフも始終出入りしている。アリスは職場の社長の息子で副社長をしているトニーと恋仲でプロポーズされる。しかしトニーの父親カービー氏は典型的金持ち資本家タイプ。息子の懇願に負けてカービー夫妻は、シカモア一家を訪れるが、実は訪問日が一日違っていて大変なことに・・・。


とにかくシカモア家はユニークな人々の集合体です。ヴァンダホフ老人は、鷹揚で突然見知らぬ人を家に連れてきては住まわせてしまうような人。娘のペニーはある日突然タイプライターが誤配されたことを機に、今まで絵を描いてきたのをやめて突然書いたこともない戯曲を書き出す。その夫は地下室で花火の研究ばかりしている人。孫娘のエシーは、とにかく暇さえあれば家の中を踊り回っていて、その夫のエドが伴奏をつけて二人仲睦まじく音楽と踊りでペアを組む(笑)。同居人たちも、9年前に氷を売りに来て以来住み着いてしまった人や、おもちゃを作りたいあまり会社を辞めてヴァンダホフ老人について決まった人など。唯一、一般的基準にはまっているのが会社で秘書職を務めるアリスというわけ。そのアリスが、社長の息子のトニーと恋に落ちて、階級の違いにてんやわんやの大騒ぎになる、というわけです。

若いジーン・アーサーとジェームズ・スチュアートの恋模様が話の骨格ながら、実は真の主役はヴァンンダホフ老人を演じるライオネル・バリモアと、カービー氏を演じるエドワード・アーノルドと言えるでしょう。引退した楽観的な老人と金の亡者とも言えるバリバリのビジネスマン。全く境遇の違う二人ですが、実はヴァンダホフ老人は元は実業家でしたが金儲けオンリーの生活に虚しさを感じ引退したのでした。ヴァンダホフは、カービー氏に今彼が送っている仕事一筋の生活の虚しさを訴えますが、勿論カービー氏は聞く耳を持たず。おまけにヴァンダホフ老人の家は工場予定地に入っていて、立ち退きを迫られているというおまけ付き。カービー一家が訪れたその日にさらに騒動が持ち上がるのでした・・・。

監督は人情コメディを撮らせたら右に出る者はいないフランク・キャプラ。この映画でもいかにもキャプラらしいほのぼのさを味あわせてくれ、それでいてしっかりスパイスを効かせてあります。街の人々のカンパなどの温かみに思わずホロッとしたり、活きの良いジーン・アーサーに爽快感を感じたり。踊りまくるアン・ミラーは後年のミュージカルスターへの道をこうしてひた走っていったんだな、と感無量にもなったり。何と言っても素晴らしいライオネル・バリモアの温かみいっぱいの演技。横柄そのもののエドワード・アーノルドの存在感。お金だけで幸せは得られない。強大な権力もいつか滅びる時が来るのだ。その時、権力者もひとりぼっちだ。この映画の問いかけはシビアに迫ってきます。

あくまでも楽天的に、人情を信じて、キャプラが作った風刺コメディ。ほのぼのしたい時に是非。1938年のアカデミー作品賞、監督賞受賞作です。


☆何をして生活しているのかわからない音楽を奏でているアン・ミラーの夫役は、何と若き日のダブ・テイラー!言われなくてはちょっとわかない、「大草原の小さな家」のヒューストンさんなのでした。


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