ラ・バンバ

LA BAMBA

1987年アメリカ映画 コロムビア
  カラー 108分

監督 ルイス・ヴァルデス
出演 ルー・ダイアモンド・フィリップス イーサイ・モラレス
  ロザンナ・デ・ソート ダニエル・フォン・ゼルネック
 エリザベス・ペーニャ ジョー・パントリアーノ
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2004/4/4

1957年、カリフォルニアで季節労働者の家族の一員として働くリッチー・バレンズエラ。ある日突然帰ってきた兄のボブの持ち帰ったお金で家族と共に家を移り普通の高校生としての生活を始める。リッチーは天性の音楽の才能があり、ロックに情熱を燃やしていた。学校では転校生のドナに一目惚れし、ささやかな楽しい時を過ごす。やがてリッチーの才能は開花してその歌がラジオを通じて全米に流れ人気が爆発する・・・。


実在のロックスター、リッチー・バレンスの伝記映画です。リッチー・バレンスは50年代後半に一躍スターダムにのし上がりました。「カモン・レッツ・ゴー」「ドナ」そして、メキシコの民族音楽にヒントを得た「ラ・バンバ」などの大ヒットを飛ばし、わずか17歳で全米のアイドルとなります。しかし・・・。リッチーの、夢に向けて全力で生きてあまりに早く駆け抜けた人生が悲しいなかなかの佳作です。

メキシコからの移民で貧しい季節労働者の家に育ったリッチー。労働の合間にもギターを手放さない音楽好きのリッチーは、兄のボブの帰宅によってまがりなりにも普通の高校生として過ごす時間を手に入れることが出来るようになります。兄のボブは、良からぬ仕事にも手を染めるし刑務所経験もあるし、品行方正にはほど遠い人物ではありますが、リッチーにとっては大切な兄。多分敬愛する存在でさえあったでしょう。ボブが家族を思う気持ちも本物。この映画のもう一つの軸はボブとリッチーとの愛憎であります。やがて音楽の才能を開花させるリッチーを誇らしく思うと同時に、複雑になってしまうボブ。母はリッチーにかかりきりになるし、自分も自分の進む道を見つけたいと絵を描くことに没頭する様子がジーンと来ます。

昔から恵まれない生活から音楽でアメリカンドリームをつかむというのは良くあった話でした。それが多分50年代半ば頃から、アメリカンドリームの先がロックに向けられたのでしょう。リッチーはまさしくそのサクセスストーリーの主役でした。最初に録音したレコード「カモン・レッツ・ゴー」が売れ始め、ラジオやテレビ出演もこなし始めて彼の名はどんどん売れていきます。それに従って着る物も良くなり、素敵な家を母親にプレゼントし、格好良い車を乗りこなします。でも、どんなにファンの女の子がキャーキャー言ってもリッチーの心はクラスメートのドナにあります。ドナがリッチーとのすれ違いなどから心を閉ざした時に、公衆電話で「ドナ」の歌を歌い聞かせるシーンはとてもロマンティック。スターになってもとっても純真なリッチーは好感度いっぱいなのです。

そして、メキシコで耳にした民族音楽をアレンジして歌った「ラ・バンバ」は大人気に。アメリカ中を飛び回る公演、また公演の毎日でした。ただ、リッチーには大の飛行機嫌いという弱点があったのです・・・。

「ラ・バンバ」などの音楽はこの映画ではロス・ロボスが担当しています。このノリの良さは最高!思わず身体が踊り出します。ガールフレンドに愛を捧げる「ドナ」はロマンティック。こんな歌が歌えるまだ若きリッチーに運命は過酷でした。伝説のバディ・ホリーも出てきて、運命のいたずらにただ絶句するしかありませぬ。

主演のルー・ダイヤモンド・フィリップスはこの映画で有名になりました。歌こそ吹き替えですが、純真で音楽が何より好きで、つやつや輝く笑顔が可愛い。とにかく若かった、の一言です。彼の好演なくしてこの映画は成り立たなかったでしょう。兄役のイーサイ・モラレスはくせ者のボブを時には嫌味に時には愛情溢れるさまでやはり好演。特にラストシーンの叫びは胸を抉られそうです。ドナとのつきあいも爽やかで青春映画としても佳作。兄弟愛の激しさと切なさは感動。映画を彩る音楽はとにかく凄いの一言。「ラ・バンバ」を一度聞いたら絶対口ずさみたくなること請け合いです。

☆レコード収録のチャンスが訪れた時、バンドの仲間と一緒ではなくて自分一人だけと知って一度リッチーは断ろうとします。でも、「友達と自分がどちらが大切か」と問われた時に、「家族だ」と答えたそのシーンが何とも切ない。

ビデオ ○

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