ハーヴェイ
HARVEY

1950年アメリカ映画 ユニヴァーサル
白黒 104分
 
監督 ヘンリー・コスター
出演 ジェームズ・スチュアート ジョゼフィン・ハル
 ペギー・ダウ チャールズ・ドレイク
   セシル・ケラウェイ ヴィクトリア・ホーン
 ジェシー・ホワイト
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2004/9/20

親の遺産で優雅に暮らすエルウッド・ダウトは、鷹揚でとても気の良い男。しかし、同居する彼の姉ヴィータと姪のマートル・メイには大きな悩みがあった。それは、エルウッドがいつも身長180cm以上の大きな白ウサギを連れていること。勿論、他の人の目からは見えないが、エルウッドの目にはしっかり見えており、彼はそのウサギをハーヴェイと名付け、どこに行くのも何をするのも一緒。大親友だったのだ。そんなエルウッドの奇行のために、ヴィータたちは社交生活も出来ず、マートル・メイの縁談もまとまらない不安を抱えていた。思いあまったヴィータは、エルウッドを精神病院に入院させようとするが・・・。


エルウッドはいつもハーヴェイと行動します。ハーヴェイのために門やドアを開けてやり、「お先に」と通してやる。バーへ行けば必ずハーヴェイのためにもお酒を注文します。何かあればすぐにハーヴェイに相談し、いつもハーヴェイと話し合い、つまりエルウッドとハーヴェイは無二の親友なのです。男同士の友情物語、良いですね。ただ一つ違うのは、ハーヴェイがケルト伝説で言われるところのプーカ(妖精みたいなもの)であり、身長180cmを超す大ウサギであるということなのでした。そして、どうやら今のところハーヴェイの姿が見えるのはエルウッドだけ、ということ。でも、エルウッドはそんなことは気にしません。いや、第一他の人にはハーヴェイの姿が見えていないなんて思ってもいない。人に会うたびに、「僕の親友を紹介します」と言ってハーヴェイを紹介しまくります。ま、紹介された人の反応は様々でしょうが。お金の苦労もなければ、働くこともないエルウッドは、毎日ほんわかのんびり生活しています。初めて会った人もすぐに家に食事に招待してしまう人なつっこさを持った本当に良い人。姉のヴィータに対する態度も優しいし、他人に対する態度も優しいし、特に女性に優しい(笑)。そう、とにかくとても素敵な人なんです。但し、多くの人に言わせれば「ハーヴェイさえいなければ」。エルウッドはハーヴェイと一緒で幸せいっぱいですが、一緒に暮らす家族はたまったものではありません。エルウッドの奇行に知人たちは恐れをなし、近づこうとさえしません。そして、何より年頃の娘の縁談という大問題があるのでした。悩みに悩んだ姉のヴィータが、エルウッドを病院に入れようとする気持ちもわかりますね。エルウッドは夢の世界で幸せでも、ヴィータと娘は現実世界で生きていかなければならないのですから。

というわけで、入院手続きにやって来た病院ですが、何事も簡単にはいきませぬ。ここでとんでもない勘違いが起こり、彼ら(いや、病院の人たち?)は散々翻弄されることになるのです。

何でも話せる友人が、いつでも側に居てくれたらどんなに幸せだろう、と思うことはあるでしょう。特にハーヴェイは、そんなにエルウッドの手を煩わせるわけでもなし、話は聞いてくれてもそれほど自らは饒舌にしゃべるわけでもないようです。お金も大して使わないし(笑)、その存在だけで癒しになるハーヴェイ。エルウッドにしか見えないハーヴェイが、やがて周りの人々に微妙な変化をもたらしていく過程が見物です。

エルウッド役にはジェームズ・スチュアート。いつもの通り、ひょろっと伸びた背でのーんびり生活を満喫している思いっきり現実離れした男性を好演しています。いや、これはまさしく彼ならではの役。こんなのほほんとした役を大まじめに出来る役者さんは、彼以外にそういるものではないでしょう。勿論、良い意味で。お姉さん役のジョゼフィン・ハルは結構ヒステリーを起こして泣き叫ぶんですが、どこかそれものどかで全く憎めない人です。彼女はこの役でアカデミー助演女優賞を獲りました。原作はメアリー・チェイスの舞台劇で、ブロードウェイで大ヒットを記録したそうです。

見ているうちに、ハーヴェイの姿が見えるような気がしてくるから不思議。ジェームズ・スチュアートの天真爛漫な笑顔に思わず一緒に笑ってしまう癒しの映画です。こんな人近くにいたらちょっと困ることもあるかもしれないけれど、一緒になってハーヴェイと友だちになって飲み交わしてみたい気にもなってしまうのです。信じるって幸せなことですね。


☆エルウッドの家の「明日の夕食」には果たして何人やってくるのでしょうか?


ビデオ ○  DVD ○

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