十戒

THE TEN COMMANDMENTS


1956年 アメリカ映画  パラマウント
      カラー  231分


監督 セシル・B・デミル
  出演 チャールトン・ヘストン  ユル・ブリンナー 
        アン・バクスター  エドワード・G・ロビンソン
      イヴォンヌ・デ・カーロ  デブラ・パジェット 
ジョン・デレク  ニナ・フォック
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2002/4/28

ヘブライの民を奴隷として酷使していたエジプトで、やがて救世主となる子供が生まれるという予言が出る。それを危惧したファラオはヘブライ人の赤子をすべて殺すように命令する。母の機知で逃がされた1人の男の子はエジプトの王女に救われ、彼女の子供として育つことになる。名をモーゼという。成長したモーゼは、伯父であるファラオの寵愛を受け、ファラオの実子ラムセスと次期ファラオの座を巡っての争いを繰り広げることになる。それは、また愛するネフレテリと結婚出来ることをも指すのであった。しかし、ある出来事から自分の出生の秘密を知ったモーゼは、ヘブライの民として生きることを決め、民をエジプトの地から救い出すことこそを神の意志と知る・・・。


大がかりなセット、豪華な出演者、派手な特殊効果、長い上演時間、その何から何までが大作というにふさわしい作品です。今なら、CGで作ったであろう古代エジプトの壮大な建築物などがセットで作られて、その豪華さに目を見張るばかりです。やっぱりCGばかりはちょっと興をそぐな、と古い映画ファンの私は思ってしまいます。そして何と言ってもあの海が割れる場面。今の特殊効果から見てしまったら古くさいとか、陳腐とか言われてしまうのでしょうか。でも、劇場の大画面でこれを見た時は心底感動しました。海が、あの海の波がざーっと引いていって陸地が現れるあのシーンは、どんなに時を経ても映画の偉大さを語るのに欠かせないシーンであると断言します。

ストーリーはあまりにも有名なモーゼの十戒の話でして、私などがどうのこうのいうレベルではありません。旧約聖書に物申す気もないし。
チャールトン・ヘストンは本当に歴史物が似合う人です。この人ほどの歴史大作常連を私は知りません。最初の頃の若い頃のモーゼは、美女ネフレテリに熱をあげていて人間味たっぷり。でも、段々人間離れしていって、まさしく神の遣わした救世主に成りきってしまいます。

美女ネフレテリに扮したアン・バクスターは好きな女優さんの1人です。野望も愛も恨みもしっかり持ったとっても人間くさい人。でも、私は憎めませんでした。モーゼを愛して、彼のために殺人まで犯しても彼を守りたかったのに突如モーゼは天空に上がったみたいになってしまう・・・。
このネフレテリと、モーゼの育ての母がモーゼを説得する際に何回もいう言葉は女性独特の知恵と思いました。「王になりなさい。そして、権力を手にしたらヘブライ人を解放して、人々に善政を施せば良いわ」。今回見た時はこの言葉がとても胸に染みました。モーゼはそう出来る立場にあったんだから、その言葉通りにしていたら、すべて丸く収まったのに、って。ファラオになって、ヘブライ人を解放して、ついでにどこかに彼らが建国出来る土地を見つけてあげて正式に彼らの物にしてあげたら、今のイスラエル・パレスチナ問題もそもそも起こらなかったし、それまでのユダヤ人の被った悲劇もあらかた防げたんじゃないだろうか?ここまで考えた私って変かしら。女性の方が平和を望む意識が強いから、聞いて損はなかったと思うんだけれどなあ。これでは、すっかり聖書に逆らってしまう・・・。神の教えを否定したり、モーゼの行動を否定するつもりは全くありません。信仰とは別のあくまで政治的方策としての考えであります。

でも、ネフレテリの愛とその後の憎しみはとてもよくわかる。結婚したくなかったラムセスと結婚させられて、モーゼのほうはさっさと羊飼いの娘と結婚してしまって・・・。女性として平静ではいられませんよね。

ユル・ブリンナーのラムセス。ファラオになりたい欲の皮の突っ張った人ですが、考えてみれば彼も可哀想な面が多々あります。実の父はモーゼの方を可愛がっていたし、ネフレテリもモーゼに夢中。みんながモーゼ、モーゼと言う中で育っていけばひねくれもします。挙げ句に散々酷い目に遭わされて・・・。まあ、これは自業自得ではあるのだけれど、罪のない人々にまで訪れる悲劇は可哀想すぎますよね。ヘブライの赤子を殺せという命令を出したのも、彼の祖父の代のことなのだし。先祖の因果が巡る?

「プリンス・オブ・エジプト」というアニメ映画を見てから、猛烈にもう一度この「十戒」が見たくなりました。今は何でもアニメっていうところがどうしても納得いかないので。アニメは好きだけれど、でも「十戒」を大スクリーンで見た私としては、これをアニメで見せられてもどうしても満足出来なかったのでした。

やっぱり良くも悪くもセシル・B・デミルは歴史物の第一人者です。こんな壮大な映画を良く撮ったものです。「♪海が割れるのよ〜」っていう歌を聴くと、即「十戒」が頭に浮かぶ私です。これは映画ファンなら、必見の名作の一本です。長いので、相当力を入れて見る必要がありますね。


☆長子を殺せという神の審判が下った時、ラムセスが生き延びたのは何故?彼は長子でしょう?


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