大脱走

THE GREAT ESCAPE


1963年アメリカ映画  UA 
カラー 168分

監督 ジョン・スタージェス

出演 スティーブ・マックイーン ジェームズ・ガーナー
 リチャード・アッテンボロー
   チャールズ・ブロンソン ジェームズ・コバーン 
デビッド・マッカラム ジェームズ・ドナルド
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2002/1/6

時は第2次大戦中。ナチスの連合軍捕虜収容所に、脱走の常習者たちが集められる。しかし、彼らは早速脱走計画を練り始める。それも集団脱走。方法は、宿舎の床から長いトンネルを掘って、そのまま収容所の向こうにある森まで伸ばし、そこから逃げるというもの。脱走計画は半端じゃない。逃げた後使う民間人の服や偽の身分証明書まで用意して、実に手の込んだ脱走計画だった。果たして、この計画は成功するのか!?


高校生の時にテレビで初めて見てはまりまくった思い出の映画です。とにかく面白かった!戦争中の捕虜収容所と言えば、やせ細った捕虜と暗いイメージが頭に浮かぶんですが、彼らはとにかく明るい。士官たちの収容所ということもあって、待遇が悪くないこともあるでしょう。幸いに捕虜収容所の所長もナチを苦々しく思うところさえあるような生粋のドイツ軍人で、寛容さを持っている。そして、集まっているのは名うての脱走常習者たち。さらにそこに送り込まれたのはビッグXと呼ばれる脱走の英雄みたいな人。となっては、脱走するしかないでしょう。それも並の脱走計画では我慢出来ない彼らは、集団大脱走を計画するわけです。そのためには、徹底的な役割分担と忠誠が求められます。掘るトンネルは予備のものを含めて3本。これはトンネル掘りの専門家とも言えるチャールズ・ブロンソンとその親友が当たります。マックイーンはわざと脱走して、付近の様子を探ったりします。ジェームズ・ガーナーは巧みな話術で、色々なものをドイツ軍からさえ調達する調達屋。他に民間人の服を仕立てる仕立屋や、偽の身分証明書を作る人や、とにかく生半可ではない徹底的に練り上げられた周到な作戦が考え出されます。その指揮を執るのがビッグXです。
映画だからこそ考え出されたとてつもない計画のようですが、これは実話なのです。原作はポール・ブリックヒル。


トンネル掘りの連係プレーも見事です。トンネルを掘っている騒音を消すために、宿舎の前で臨時合唱団が結成され、大声で歌っている。トンネルを掘って出た土は、散歩の時に皆がズボンのポケットに忍ばせてそっと捨てる。何から何まであっぱれです。そこまで努力したのに、アメリカ独立記念日でお祭り騒ぎをしている最中にトンネルの一本が発見され、絶望したアンガスが自殺する場面はこの映画最初の悲劇でした。

でも彼らは負けない。最初から、発見されることを想定して3本掘っていたのです。そしてとうとう脱走決行の日。ジェームズ・ガーナーは目が見えないために脱走をあきらめそうになったドナルド・プレザンスの目となり一緒に連れて行くし、今まで男らしさムンムンでトンネル掘りに頑張ってきたブロンソンが、ふっと明かりが消えてしまったトンネルでパニックになって「トンネル怖い!」と大騒ぎするやら。そして、せっかくのトンネル。出口は森の中と思いきや、何と森まで数メートル足りない!ありとあらゆるアクシデントを乗り越えて、それでも何十人もの捕虜が脱走に成功します。

そして彼らはバラバラになって国境突破を目指します。一番有名なのはマックイーンがオートバイを飛ばすシーンでしょう。ドイツ軍との壮絶な追っかけっこ。格好良いですよね。ジェームズ・ガーナーはパイロットで、ドナルド・プレザンスを乗せて飛行機を飛ばします。ビッグXことアッテンボローと彼の相棒マクドナルド中尉のゴードン・ジャクソンは民間人に化けてバスに乗ろうとします。ジェームズ・コバーンは、カフェで休憩しているところを突然レジスタンスに急襲され、デビッド・マッカラムは列車の駅で危ない逃走を。
誰がどうなるかを言ってしまったら、完全にネタバレになってしまうのでこれ以上言えないのが残念です。マックイーンのオートバイシーンと共に、アッテンボローとゴードン・ジャクソンが「我々は間違っていなかった」ってしみじみ語り合うシーンはその後の場面と共に最も心に残りました。

監督がジョン・スタージェスで、出演もマックイーンやブロンソンやコバーンと、「荒野の七人」に重なるところがあるこの映画。この三人についてはキャラクターがごちゃごちゃになりそうですね。
私はこのメンバーの中では、ジェームズ・ガーナーが一番のお気に入りになりました。背が高くてハンサムで、でも調達屋をするくらいだからどこかとぼけて口八丁手八丁のところがある。それでも、目の見えない友人を決して見捨てない熱い友情の持ち主。飛行機飛ばして、国境までもうすぐだっていうあの場面、泣けます。
それから「トンネル怖い」のブロンソン。あの顔で、あの男の中の男という容貌でそれを言われては、もう可愛いくて仕方がない(笑)。

とぼけた味と言えばマックイーンも良かったですね。とにかく独房に入れられては、壁に向かってボールを投げて一人キャッチボールをしている。あれはふざけているようだけれど名シーンだと思います。

収容所のあくまで人間の心を持っているがために苦悩するドイツ人所長と、足が悪いために脱走には加わらなかった連合軍側のボスのやりとりも、心を打ちます。本当はナチが好きになれない収容所長のハンネス・メッセマー。ドイツ人と言えども、苦しかろうと思わず同情してしまいます。

とにかく、戦争映画、アクション、そして男たちの命を賭けた闘いを描いた最高傑作の一つだと思います。長尺だけれど飽きるところもだれるところも全くなし。グイグイ物語に引き込みます。今では考えられない豪華キャストも魅力です。私はこの映画と「荒野の七人」で集団男性映画にはまりました(笑)。


☆このロケについてきたジル・アイアランドは当時デビッド・マッカラム夫人でした。でも、このロケで知り合ったチャールズ・ブロンソンと恋に落ちてゴールイン。マッカラムとブロンソン。タイプが正反対の二人。ジルの趣味も面白いですね。そのジル、何年か前に癌で天に召されるまでブロンソンとおしどり夫婦で通しました。別れたマッカラムとも良い友人だったみたい。3人の人生を変えた映画でもあるのです。


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