星の王子さま

Le Petit Prince

サン=テグジュペリ
Saint-Exupery

岩波書店その他
おすすめ本
(C)2001〜 2005 Paonyan?.
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2005/8/27

飛行機乗りになった僕は、サハラ砂漠に不時着してしまう。そこで出会ったのが、小さな少年、星の王子さまだった。一軒の家ほどの大きさしかないとても小さな星からやってきた王子さまは、自分の星のことを色々語ってくれる。悪い種であるバオバブは、適切な処置を施さないとすぐに大きくなって星全体に繁殖してしまう。また、王子さまの星では椅子を数歩分だけ動かせば何度でも夕陽が沈むのを見ることが出来る。ひどく悲しい時には夕陽が見たくなり、44回見たことがある。どこからともなく運ばれてきた種から咲いたお洒落な一輪の花のこと。王子さまはその花を愛していたけれど、彼女の一言一言にとまどいを感じて、遂に星から逃げ出してしまったのだった・・・。


あまりに有名なお話で、説明も必要ないでしょう。今、「星の王子さま」がいくつもの出版社から新訳として登場しています。版権が切れたということで、この永遠のファンタジーに改めて脚光が浴びせられたようです。「聖書」と「資本論」(マルクス)に次ぐベストセラーと言われているそうで、未だ人気は衰えません。

サハラ砂漠で出会った一人の飛行士と小さな王子さま。飛行士は、王子さまの語る自分の星や彼が訪れた他の星の話に惹き付けられていきます。最初は、王子さまが飛行士に「羊の絵を描いて」と言ったことが始まりでした。自分の星に羊を持たない王子さまは、羊を飼ってバオバブの木を食べさせたかったのです。また、王子さまの星には3つの火山がありましたが、きちんと煤払いをしておけば静かに規則正しく燃えていて噴火することはないのだそうです。でも、地球では人間は小さすぎて火山の煤払いが出来ないのです。何と悲しいこと!

王子さまの星に咲いた一輪の花と王子さまの関係にはほろっとします。お洒落でちょっと気位の高い華麗な花。王子さまは花に水をやり、花を外敵から守ってやるのですが、二人の心はちょっとしたことでいつもすれ違ってしまいます。その結果、王子さまは花は勿論自分の星も捨てて旅立ってしまうことになるのです。

大人は数字が大好きで、誰か人のことを紹介する時にも、年齢だとか収入だとか数字に関することを並べれば喜ぶとか、「いちばん大切なものは目で見えない」とか、思わず苦笑しながらも心に残る言葉がいっぱい詰め込まれています。それでいて、全く教訓臭くないのですね。友達を求める王子さまの淋しさや、置いてきてしまった花への思いなど、心打たれるシーンが沢山あります。人生の荒波を超えていくのに、側に置いてそっと抱きしめたい本です。今も人気がある理由があります。ちなみに、私が初めて買った岩波少年文庫がこの本でした。想い出の書です。

僕は帰るべきところに帰ったけれど、作者のサン=テグジュペリは第2次大戦に従軍して偵察飛行中に行方不明となってしまいました。きっと彼も帰るべき星と、置いてきてしまったお友達の花があって、そこへ帰って行ったのですよね。


☆バオバブの木のことをこの本で知りました。それ以来、「星の王子さま」と聞いてまず浮かぶのがバオバブです。


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