ミルトン屋敷の謎
     〜五人と一匹T 

Mystery of the Secret Room

エニード・ブライトン
Enid Blyton

実業之日本社
今週のおすすめ本
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2003/5/18

小さな田舎町、ピーターズウッドの村に住むラリイとデイジイの兄妹、ピップとベッツの兄妹はとても仲良し。ある日、近所のヒックさんの家が火事になった。翌日放火の疑いがあることを聞いた彼らは俄然事件に関心を持つ。夏休みの間、ホテルに滞在している少年ファットとその愛犬バスターを加えて、彼らは五人と一匹探偵団を作り、事件の解明に乗り出す・・・。


仲良しの子供たちで作った「五人と一匹」探偵団シリーズの第一巻です。「火をふく小屋」「消えたシャム猫」「ミルトン屋敷の謎」の三編を収めた連作集になっています。

主人公の子供たちはどこにでもいるごく普通の子供たち。普段は寄宿学校に通い、休みになって帰省すると仲間同士集まって探偵団の活躍が始まるのです。リーダーは一番年上のラリイ。しっかり者の頼りになる存在です。その妹のデイジイは勇気ある心優しい女の子。ファットはその名の通りの体型ですが、大変頭が切れる少年です。変装までする念の入れようで、探偵業に憧れを抱いています。自慢好きなのがたまにキズか。ピップは勇敢で明るい少年。その妹のベッツは一番年下でちょっと泣き虫だけれど、結構鋭い感覚の持ち主で時々年上の子供たちをあっと言わせます。このそれぞれに個性を持った子供たちが、時には夜中に家を抜け出すという親が眉をひそめそうなことまでもしながら、その時々の事件を解決していきます。

村のグーン巡査は職務熱心ではありますが、どこかピントがずれています。子供たちの探偵団をいつも邪魔にしていて「どいとれ」が口癖なので子供たちから「どいとれさん」と呼ばれています。でも、別に悪い人でもありません。立派な大人が、それもお巡りさんがいつも子供たちにしてやられていては立場もなかろうと同情さえしてしまいます(笑)。
その上司に当たるジェンクス警部はとても物わかりの良い人で、子供たちの探偵団の良き理解者であり、困った時にはいつも助けてくれる、いわば探偵団とは持ちつ持たれつの関係を築いている人です。グーン巡査は、この上司には頭が上がらないからちょっと可哀想。

忘れてならない、一匹のバスターはとても忠実かつお利口な犬です。犬ならではの嗅覚の良さなどを活かして難事件解決に奔走。なくてはならない仲間です。ファットにセーターを守れ、と言いつけられたらそのセーターの上から絶対動かないところなんて、何ともいじらしい。

ファットはロンドンに行ったついでに変装道具を仕入れてきたために、ますます探偵業はエスカレート。シャーロック・ホームズに憧れて、「僕は生まれつき探偵の才能があるんだ」と豪語する始末。この五人と一匹の活躍はまだまだ続きそうです。


☆夏に滞在した村が気に入ったからって、そこに移住してしまうファットの両親たちはイマイチ都合が良すぎるようにも思うのですが・・・ま、いいか。

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