魔女狩り人の復讐
The Vengeance of the Witch-Finder

ジョン・ベレアーズ
John Bellairs

アーティストハウス
おすすめ本
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2003/1/19

両親を亡くし、魔法使いのジョナサンおじさんの元に引き取られたルイスは、ちょっと太めで臆病で冴えない男の子。でも、優しいおじさんや親切なツィマーマン夫人、仲良しのローズ・リタたちに支えられて幸せな生活を送っていました。休暇を利用して、ルイスとジョナサンおじさんはヨーロッパ旅行をします。その際訪れたイギリスで、遠縁のペリー・バーナヴェルトの家を訪問します。バーナヴェルト家は豪壮なマナーハウス。しかし、そこに足を踏み入れた瞬間にルイスは不安を感じるのです。そこで、ルイスは家政婦の息子である眼の不自由なバーティと友達になります。2人は、敷地内にある迷路が描かれた地図を発見したことから迷路の探検に出かけ、秘密の場所を探り出しますがやがてそれが大変な事を呼び起こしてしまうのでした。


「ルイスと魔法使い協会」の第5弾です。今やルイスの故郷となったニュー・ゼベタイの街を離れ、今度は遙か彼方のヨーロッパが舞台となります。それだけにこれは単品でも楽しめる作品となりました。主な舞台はイギリスは南サセックスにあるマナーハウス。マナーハウスとはかつての荘園領主の邸宅で多くが14、5世紀に建てられたものであり、長い歴史を持ったとにかく広大な屋敷であります。しかし、広大すぎて現代では個人では管理しきれなくなって観光施設として公開したり、ホテルにしているところもあります。この本のマナーハウスの持ち主であるペリーもやはり経済的に困っていて、使っているのは屋敷の一部だけであり、後はすっかり封鎖しているのです。そんな広い古い邸宅。庭には迷路。それだけでワクワクするような舞台が揃っています。おまけに、ジョナサンとルイスは魔法使いの家系。その先祖が住んでいた家なのですから、何か秘密の匂いが・・・。

ルイスはシャーロック・ホームズが大好きです。ロンドンではベイカー・ストリートを訪ねてすっかりホームズ気取り。ペリーのマナーハウスで友達になったバーティは眼が不自由ですが利発で親切な男の子です。2人はホームズとワトソンを気取り、秘密の地図を頼りに迷路に忍び込んであわよくば宝物でも見つからないかと思ってしまったばかりに、とんでもない魔物を呼び出してしまうことになるのです。何故ならこのマナーハウスは、300年前に魔女狩りの舞台となった歴史を秘めていたからなのです。襲い来る魔物に、ルイスとバーティは力を合わせて戦おうとしますが、2人の力が及ぶ相手ではなかったのです。やがてやってくる絶体絶命の危機・・・。

暗黒のヨーロッパで世の中を震え上がらせた魔女狩りの悪しき歴史が呼び込んだ災いが、古いマナーハウスを舞台にして再び目覚めるのです。息もつかせぬサスペンスが展開します。

今までルイスの友達は大人は別にして、たくましいしっかり者のローズ・リタ一人でした。ルイスは自分のルックスもひどく気にして、臆病さから逃れられないでいました。でも、マナーハウスで新しい友達を得ました。バーティは眼が悪いがためにルイスの外見など関係なく、ルイスの本質を見てくれます。そして、沢山の知恵も貸してくれます。2人はさながらホームズとワトソンのように切っても切れない仲になっていきます。しかし、魔物に追われた時、バーティはどうにもならないハンディを抱えていました。ルイスはそんなバーティを助けるうちに、臆病な少年から段々脱却せざるを得なくなってきます。自分でも知らず知らずのうちに。そんなルイスの成長物語がとても微笑ましいです。

マナーハウスに興味がある方は是非読んでみて頂きたい物語です。


☆屋敷の片側の棟の一部しか使っていないペリーおじさん。お約束のお庭の迷路。こんな呪われたお屋敷はごめんこうむるものの、一度は散歩してみたいマナーハウスへの憧れが頭をもたげてきます。

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