コーンウォールの聖杯
Over Sea, Under Stone

スーザン・クーパー
Susan Cooper

学研
おすすめ本
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2002/8/18

夏休みにドルウ家の三人兄弟、サイモン、ジェイン、バーニーはコーンウォール地方の町へ遊びにやってきます。そこで、母の知り合いのメリイおじさんと一緒に古い屋敷グレイハウスに滞在するのです。ある日、兄弟は屋根裏部屋から700年前のアーサー王伝説を巡る文書を発見します。これを手に入れたことから、彼らは大変な陰謀と冒険に巻き込まれていきます。


長い休み、古い屋敷、屋根裏部屋に昔の古文書と、ファンタジーの要素が見事に詰まっています。アーサー王伝説は、イングランドでは欠かせないアイテムで、良くもこんなにうまく盛り込んだな、とびっくりします。登場人物のアーサー王伝説に関連する謎も最後に用意されていて、思わずにやりとしてしまいます。

兄弟が屋根裏部屋から発見した文書には、心の清い人にだけ現れるという聖杯のありかが記してありました。しかし、この文書を長く捜していた一味がいて、兄弟は彼らに追われ大変な思いをすることになります。この文書の秘密を打ち明けたのはメリイおじさんだけ。このメリイおじさんという人が、そびえ立つような大男ながらどこか神秘的なムードを持ったちょっとミステリアスな人物なのですね。でも、この話の中で私にとって一番印象に残った人物でした。何故かはここでは申しませんが。

兄弟は三者三様です。一番年上で強さを象徴するかのようなサイモン。一人だけの女の子で優しさを象徴するかのようなジェイン。末っ子のバーニーはさしずめ機知の象徴でしょうか。彼らが、それぞれに出来ることを分担して危機を乗り越えていく様はうまいなあ、と感じさせられます。

これは善と悪との戦いを象徴的に語った物語です。メリイおじさんが、アーサー王以来続く善と悪との戦いについて語った言葉がとても印象に残りました。「善と悪との戦いは世界中でいつも行われている。ある時は一方が勝ったように見え、またある時はもう一方が勝ったように見える。が、どちらも完全に相手を滅ぼしたことはない。どんな人間にも悪と善との両面があるからだ」。全くその通りです。しか、と考えてこんでしまう意味深い言葉であり、この物語を象徴する言葉でした。


☆お父さんとお母さんって、同じ家に泊まりながらすっかり蚊帳の外なのよね。

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