さすらいの孤児ラスムス
RASMUS PA LUFFEN

アストリッド・リンドグレーン
Astrid Lindgren

岩波書店
おすすめ本
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2002/12/29

ヴェステルハーガ孤児の家で育ったラスムスは針毛の金髪の男の子。寮母の厳しいヒョークにはいつも叱られている毎日です。ラスムスは、いつかお金持ちで素敵なパパとママが自分を養子として引き取ってくれるのを夢に見ています。しかし、孤児院を訪ねる人たちは、ちぢれ毛のかわいい女の子ばかり引き取っていきます。ラスムスは自分でパパとママを探すことを決心して孤児院を脱走します。とは言ってもどこに行ったらいいのかわからずさすらう途中で、オスカルという風来坊の男性と知り合います。オスカルはとても気の良い人で2人は、あちらこちらの家をまわって歌を聴かせて小銭を稼いだり食事にありつく毎日。でも自由がいっぱいでラスムスは、思い切り世の中を楽しみます。そんなときに、オスカルが行きつけのヘードベルィ夫人の家に強盗が入っている場に、出くわして大変なことに・・・。


養子をもらいたいという人がやってくる日のヴェステルハーガ孤児院の騒ぎは大変です。誰もが養子にもらわれたがっているその姿・・・。いじらしくもあり、悲しくもあります。でももらわれていくのは、愛想が良くて可愛い女の子ばかり。それに嫌気がさしたラスムスは、自分を愛してくれる親を自分で捜し求めるために孤児院を出て、放浪の旅に出ることになるのです。そんな中で出会ったのがオスカー。一見怖そうに見えたけれど、実は気の良い明るい男性です。歌を歌いながら放浪する生活をとても気に入っていて、自分のことを「神さまの本物のふざけ屋かっこう鳥のオスカル」と称しています。オスカルとラスムスは、歌を歌って小銭を稼ぐ放浪生活を面白楽しく暮らします。大男のオスカルと小さいラスムス。年も性格も違う2人は、その違いを乗り越えてすっかり仲良くなります。でも、ヘードベルィ夫人の家に強盗が押し入った場に居合わせたために2人は大変なことになるのです。

警察は強盗犯は最初からオスカルだと疑っています。それというのもオスカルは風来坊だから。本当の強盗犯のほうは、一見身なりの良い紳士で一切疑いの対象にもなりません。どんなに本当のことを言っても信じてもらえないオスカルはすっかり警察嫌いになっています。それも無理ないでしょう。外見や普段の暮らし方だけで、すっかりレッテルを貼られてしまう・・・。この「偏見」という名の思いこみは、時代を超えて万国共通のものなのですね。でも、ラスムスだけはいつもオスカルを信じています。オスカルが捕まった時にもオスカルのいない淋しさに打ちのめされながらも、オスカルを何とか助けようと頑張ります。今や2人は対等の相棒となっていたのです。

ラスムスは、やがてお金もあって心優しい農家の夫婦の元にたどり着きます。広い農場があって、犬もいて、ラスムスが夢みた暮らしがそこにありました。果たしてラスムスはその幸せをつかめるでしょうか・・・。


☆「いずこの森にも泉あり、いずこの原にも花咲きて、いずれの胸にも思い出あり・・・」。素敵な歌ですね。

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