あやつられた学校
The Demon Headmaster

ジリアン・クロス
Gillian Cross

偕成社
おすすめ本
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2002/11/2

イギリスのとある街。ハンター家に里子としてやってきたダイナは、実は天才的頭脳の持ち主だった。しかし、目立たぬようにそれを隠し続けるダイナ。ハンター家の2人の男の子、ダイナと同じ年のロイドと弟のハービーは何かとダイナを敵視する。学校に通い始めたダイナは、校長先生に会って変な体験をする。ダイナ自身にもそれが何だかわからない。人に学校の様子を聞かれるとダイナは「素晴らしい学校、素晴らしい校長先生です」と答えてしまう。その返答を聞くと、ますますロイドとハービーの反発が高まる。学校はどこか変だった。生徒たちはあまりにきちんとしていて一部の乱れもない。ロイドと仲間たちの5人だけが生徒たちの輪から外れていた。いつも黒めがねをかけた校長は徹底的に生徒を統率する。しかし、実は校長の頭の中では恐るべき計画が進行しつつあるのだった・・・。


ジリアン・クロスの「悪魔の校長シリーズ」の第1巻です。こんな学校、こんな校長がいたらとてつもなく怖いと思わせるある意味恐ろしい話です。何も知らずに学校の中に飛び込んだ転校生ダイナは、小さい頃親を亡くし、ハンター家に引き取られました。ハンター家の2人の男の子とはしっくり行かないし、新しい環境に慣れるだけでも大変なダイナに、とてつもない試練が襲います。不気味な校長がしていることを知ってしまったのです。ほとんどの生徒は校長の意のままに操られます。ダイナ自身も校長の意向には逆らえません。しかし、校長が思うとおりに操れない生徒たちがこの学校には5人いました。ロイドをボスとするSPLATのメンバーでした。ダイナとSPLATは力を合わせて校長の計画を阻止するために立ち上がるのです。

ごく普通の家で、すでに男の子が2人いるハンター家に里子としてダイナがやってくるところから物語は始まります。ダイナは一見したところはぱっとしませんが、中にはとてつもない才能を秘めた女の子です。天才と言っていいほどの頭脳の持ち主。しかし、その才能をひたすら隠します。他の子たちに嫌われないため、意地悪されないため。能ある鷹は爪隠すと言いますが、まさしくその通りというか・・・。もしダイナが普通の家の子供だったら、恐らくその才能を大いに開花させていただろうことを考えるとダイナのその目立たぬようにしようという努力が痛ましくなってくるのです。

ハンター家の長男ロイドはダイナと同じ年ということもあって、何かとダイナに敵対心を持ちます。元々かなり意地っ張りの性格。また、女の子なんか・・・という複雑な年齢であることも手伝ってのことでしょう。人懐っこい性格の弟のハービーもお兄さんには逆らえません。この兄弟とダイナとの確執も見所です。

しかし、何と言っても傑出した人物は影の帝王とも言うべき校長先生。黒めがねの奥に隠されているものは何なのでしょうか。うるさい盛りの年頃の生徒たちを見事に静かに押さえるその手腕の裏に隠されたものは何なのでしょうか。あっと驚く展開が用意されています。

SPLATの他のメンバー、イーアン、マンディ、イングリッドも個性的です。第2巻ではもっともっとそれぞれの性格がくっきりしてきて、大活躍を見せます。

ネタバレ出来ないのが凄く悔しいくらい、面白い話です。ミステリアスで不気味で、最後にはホロリとさせられて・・・。一気に読めます。

☆校長先生が緑が好きなのは何故なのでしょう?緑は目に良い?

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