妖精王の月

The Hunter's Moon

O.R.メリング
O.R.Melling

講談社
おすすめ本
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2001/5/15

 アイルランドに住むフィンダファーとカナダから遊びに来たいとこグウェンは現代的な少女でしたが、小さい頃から妖精を信じ別世界への扉を探す夢多き少女でもありました。グウェンが遊びに来た夏休み、2人はタラの丘に出かけ「人質の墳墓」でキャンプします。目覚めたグウェンはフィンダファーが妖精王にさらわれたことを知り、彼女を取り戻すための長い旅に出るのです。

ケルトの妖精たちと妖精を信じる人間達が繰り広げるロマンティックなファンタジーです。テーマは妖精と人間との愛。それだけにロマンの要素がひときわ香り高く、登場人物達も比較的年齢がいっているので大人も十分に楽しめるファンタジーです。
食べることが大好きな(笑)現代的でしっかり者のグウェン。ちょっと現実離れした印象も感じる美少女フィンダファー。グウェンはフィンダファーを現実世界に連れ戻そうと苦心しますが、肝心のフィンダファーは妖精王との恋に夢中。救い出されるはずの人に、その気がないというのが面白い設定です。
またフィンダファーを見つける旅を続けるグウェンに力を貸す「赤毛」の人々。バリバリのビジネスマンのマティーと農場を切り盛りするしっかり者の女性ケイティー。後半、大きな魔物「狩人」と対決するグウェンを助けるためにすべてを置き去りにして、遠路はるばる駆け付けるこの2人には脱帽。バリバリのビジネスマンが妖精を信じていたりするギャップが魅力的です。
それから傷だらけのグウェンを助けたダーラとおばば。とにかく登場人物の一人一人が魅力的で、それだけにクライマックスの彼らが徒党を組んでの闘いには、誰も傷ついて欲しくない気持ちがいっぱいで、引き込まれます。
妖精と言えばアイルランド、ケルト。かの地の人々は、こんなにも妖精と近しく暮らしているのかとうらやましさと怖さがしっかり同居した素敵なファンタジーです。子供の心を忘れた大人に・・・と良く言いますが、子供らしい子供が出てこないで、大の大人達が妖精騒ぎに夢中になるところが掛け値なしで素敵。

☆グウェンが困ったときにどこからともなく現れサポートしてくれる妖精ミディールも素敵。さぞかし美しきお顔を想像してしまいます。
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