ドリトル先生航海記
The Voyages of Doctor Dolittle

ヒュー・ロフティング
Hugh Lofting

岩波少年文庫
おすすめ本
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2001/7/22

このお話はドリトル先生シリーズの2冊目。語り手はトミーという少年です。

トミーは貧しい靴屋の息子。ひょんなことから足に怪我をしたリスを手に入れるのですが、どう手当をしてあげたらいいかわかりません。でも、偉大なドリトル先生なら治せると聞いて、彼の家へ行きます。なんと、ドリトル先生は動物の言葉がしゃべれるというのです。ところがドリトル先生は大航海の真っ最中で留守。仕方なしにすごすごと帰りますが、いつか帰ってくると思って通いつづけるうち、とうとう会うことができます。

ドリトル先生はトミーのリスを治してくれ、トミーはドリトル先生の助手になることを決意します。ちょうどそのとき、ドリトル先生は、南大西洋のクモサル島で、友だちで大博物博士のロングアローが行方不明になったと聞き、トミーや動物たちを連れてクモサル島へと航海に出ます。島の人々の敵を倒し、ドリトル先生は王様に選ばれたりしますが、もちろんイギリスに帰らなくてはなりません。クモサル島は実は漂流島で、鯨たちに押してもらって、本来の暖かい海域に戻っていきます。そして、ピンクの大きな海のカタツムリに出会い。その殻の中に入れてもらい、海底を航海して帰路に就きます。

オウムのポリネシア、犬のジップ、アヒルのダブダブなど、このお話にはユニークな動物のキャラクターがいっぱい登場します。ボクとしてはネコのキャラクターが大活躍してくれたらうれしかったのですが、それでも楽しいことにはかわりありません。作者の、動物に対する愛情がひしひしと伝わってきます。

それと、ドリトル先生はただの獣医さんではありません。偉大な「博物学者」と紹介されています。英語ではナチュラリスト。トミーもナチュラリストになりたくて、ドリトル先生に助手にしてほしいと頼み込むのです。そして、いっしょうけんめい動物の言葉を勉強しようとします。

このシリーズは、イギリスやアメリカでは人種差別問題で一時本屋さんから消えてしまったようなのですが、その後新版が出て、みごと本屋さんの店頭に復活しました。単なる表記の問題だけで、決して人種差別をしている作品ではないので、そんなかたちで本屋さんから消えて子どもたちが読めなくなるのはとても残念です。復活してよかった。個性的な動物のキャラクターと、ドリトル先生の冒険には夢がいっぱい。これを子どもたちに読ませなくて、いったい何を読ませろというのでしょう。もちろん、大人になってから読んでもじゅうぶん楽しめると思います。不幸にも子供時代に読めなかった人も、ぜひ手に取ってみてください。

☆エディ・マーフィ主演の映画「ドクター・ドリトル」は、動物の言葉が理解できるというだけで、原作とはまったく別物。原作のファンはあの映画を見たら怒っちゃいますよ。だいいち、ドリトル先生は由緒正しきイギリス紳士。あんながさつなキャラクターではありません。どうせご覧になるなら、レックス・ハリソン主演のむかしの映画のほうをおすすめします。
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