「元彼女はスーパーギャル」

もう十数年まえのはなしですが、つきあっている彼女がいました。
彼女は小柄で150cmないと言っていました。
まあ、少し太めですけど。

彼女には驚かされることが、いっぱいあります。
まず、巨大な胸です。片手では掴みきれないほど大きく、胸にパンチを入れれば拳が乳房に埋まってしまいそうでした。(谷間ではなく、片方の乳房でです)
しかし、驚くことはそれだけではありませんでした。
実は、彼女はスーパーギャルだっのです。…といっても、あまりにも驚かされることが多いので自分が勝手にそう呼んでるだけですけど。

まず、怪力の持ち主なんです。
彼女は甘えん坊でよく、手を握っていたんですが、彼女、無意識のうちに力が入って、ギュッと握るんですよね。握られると、指がちぎれそうなぐらいに痛くなるんです。
あまりにも痛いんで「おまえ、そんな小さい手でずいぶん力あるね。指の関節が砕けるか思ったぐらいすごい痛くなるんだけど。そんな小さい手のどこに怪力が隠れてるの?おまえ、ひょっとしてスーパーガールじゃん」って、言ってしまいました。
でも、彼女は「わたし、スーパーガールなんかじゃないよ」って言っていました。
しばらくした、ある日の朝の電車のなかで、いつものごとく彼女は自分の腰に手をまわし甘えていました。
ドアによりかかっていると、駅でドアが開き、よろけそうになり「あっ」と思った瞬間、彼女の腕に力が入り、ググッと引き寄せたのでした。一瞬身体がフワッと浮いたような気さえしました。当時の自分は171cm,80kgぐらいでしょうか?
そんな自分をなにもなかったように守ってくれた彼女、まさか、こんなことが起こるとは思っていなかったので、目をシロクロさせていると、彼女はニコッと微笑み「どうしたの?」って聞くので、思わず「さすが、スーパーガール。ありがと。」って言うのが精一杯でした。
そのときは「だから、あたし、スーパーガールなんかじゃないよ」ってまだ、自分の怪力に気付いていないようでした。

彼女の不思議な行動は、それだけではありませんでした。いつも、自分行動をすべて見通してるように、いつのまにか目の前に登場するのでした。
たとえば、仕事の帰り、駅で電車を待っていると、その電車に彼女が乗っていた…とか。
そのタイミングの良さに、なにか怖さと「彼女には、全ての行動を見通されている」という気持でいつかうっとうしくなってしまい、ケンカをしてしまいました。
「おまえなんか、うざったいから、どっか消えてしまえ!」

そして、しばらくした、ある日の朝、バスを降りて駅の改札に向かう途中、いきなり彼女が目の前に現れました。
「ジャン!」
「あ゛、いつのまに。」
「ビュッて飛んで、浩くん、追い掛けてきた!」
「へ?」
「だって、あたしスーパーガールなんでしょ?だから、ビュッて飛んできたの。」
おい、おい、やっと認めてくれたのはウレシイけど、マジで飛べるの?うそ!
実は、彼女、自分をビックリさせようとして、前のバスで駅に行き待ちぶせをしていたのでした。
彼女はタネあかしをしたとはいえ、「あたし、空飛んで追いかけてきた」なんて言うか!普通。

その後、やはり彼女に監視されているような気分と、自分の自信のなさで、わかれてしまいました。
あのまま、付き合っていたらどうなっていたでしょうか?
デートでドライブに行ったとき、田舎のタンボ道で脱輪をしてしまい、彼女が車を引きずりだしたとか、引っ越しや部屋の模様替えのときに、大きなタンスを持ち上げるとか、やってくれたんでしょうかね。

ただ、ケンカをしても絶対に勝てないので、ひたすら尻に敷かれているんでしょうか?
まあ、彼女だったら、普段は甘えんぼうで、やさしいけど、イザっていうときに人間離れした怪力で自分をサポートしてくれたんではないでしょうか。

ひょっとして、彼女との間に生まれた女の子がスーパーガールになったりして?

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