八郎
むかしな 秋田の国に、八郎って山男がすんでいたっけもの
八郎はな、山男だっけから
背えがたあいして高かったけもの。
んだ、ちょうど、あら、あのかしの木な。
あのくらいも あったべせ
♪八郎の歌
むかしむかしのその昔
秋田の国の山奥に
大きな大きな山男(山男)
山から浜へかけてって
海さむかってさけんだと
さけんだとー
むかしむかしのその昔
秋田の国の八郎は
すいすい大きな山男(山男)
かんかんかたいうでやかた
まっと大きくなりたくて
なりたくて ♪
八郎 「ウォーイウォーイウォーイ」
そのたんびに
八郎の胸はミキミキ ミキミキ ふくらがって
家いっけん すっぽと
すっぽと入るほども
おがったとしえ
頭もでっかくでっかく
なったべせ
♪小鳥の声で
ひわだのむくだのかっこうだの
ピチピチチィチィチュクチュクカッコー
ピチピチチィチィチュクチュクカッコー
小鳥の声で目がさめる
小鳥の声で目をさます
めんこいめんこい小鳥たち
ピチピチチィチィチュクチュクカッコー
ピチピチチィチィチュクチュクカッコー
じっとじっとがまんする
八郎じっとがまんする♪
んだともだめだ
おっきくなりてえおっきくなりてえ気持ちが
むくむくむくむくわいてくる
八郎「ああ ああ おら おら まっと まっと 大きくなりてえ
大きくなりてえ
ウォーイウォーイウォーイ」
♪走れ八郎
走れ 八郎 走れ 八郎
浜さむかってぐんぐん走れ
海さむかってぐんぐん走れ
走れー走れー走れー
さけべ八郎さけべ八郎
もちょもちょたかる雲こをはらい
海さ向かって大きく叫べ
叫べ 叫べ 叫べー♪
ウォーイウォーイウォーイ
ある日のことせ
八郎が、また浜さ来たっけせ
一人のめんけ(カワイイ)男わらし
ワイワイワイワイ 泣いてたと
♪男わらしの歌
今年も今年も海あれて
おどの田んぼがみずかぶり
米麦アワヒエ
なにもかも
水に流され
もどらない もどらない
毎年毎年海あれる
おどもあばも村の主も
みんなでみんなで
水防ぎ
おらは一人で
まっている
男わらし「うえーんうえーんうえーん」
男わらしこ 泣きやまぬ
白い長い歯をむいて
エヘエヘ笑う海をみて
男わらしは泣いている
ワイワイワイワイ泣いている
八郎「なぐな なぐな おらが遊んでやるからな おらが遊んで やるがらな」
男わらしこ なきやまぬ
白い長い歯をむいて
エヘエヘ笑う海をみて
男わらしは泣いている
ワイワイワイワイ 泣いている
♪山をかつぐ歌
ピューピューピューピュー
ピューピューピューピュー
山のふもとさ八郎走る
ピューピューピューピュー
ピューピューピューピュー
山さ手をかけメッキメキゆする
ピューピューピューピューピューピューピュー♪
八郎「なあんの こったら山あ〜」
♪山を担ぐ歌(二番)
グラグラガラガラグラグラガラガラ
八郎力んで山しょいあげる
グラグラガラガラグラグラガラガラ
浜さむかってヨッコラサと走る
ピューピューピューピューピューピューピュー
八郎は
山こもちあげ
海さむかって
ヤアーッ
ザバーッ
海がまっぷたつにわれてよ
割れた二つが
黒い太陽まで
とびあがってせ
夕方のようにふってきた
海の水は
ザバザバザバッて
沖のほうへいってしまったと
村人はよろこんでよろこんで
♪ありがてこった
ありがてこったありがてこった
これでわしらは安心だ
ピーヒャラドンドン豊作だ
ピーヒャラドンドン豊作だ
米も麦も 米も麦も
いっぱいいっぱいとれるぞな♪
村人
「いやあ〜てえしたもんだ」
「八郎は えれえ 山男だ」
「おらたちの村さまもってくれたんだ」
「さあ 今日も踊ろう!」
♪ありがてこった
ありがてこったありがてこった
これでわしらは幸せだ
ピーヒャラドンドンお祭だ
ピーヒャラドンドンお祭だ
ひえもあわも ひえもあわも
いっぱいいっぱいとれるぞな
ありがてこった
ありがてこった
これでわしらは 幸せだー♪
村人
「おーい!あれを見ろ!」
「大変だ大変だ!」
「海さ 来るぞ!海さ 来るぞ!」
みればよ
がんがんに怒った海がよ
沖のほうで相談こぶって
海の水みんな集めてよ
むくっむくっ
もくっもくっ
むくっむくっ
もくっもくっ
男わらし「ウエーンこわいよーうえーんこわいよー」
八郎「なぐなわらしこ おめえの泣くのみれば おらもなきたくなる
しんぺえすんなみとれ したらばまんつ」
♪押し比べ
海は押す
海は押す
海は押す
海は押す 八郎は押し返す♪
♪しずむ八郎
しずむ しずむ
胸も肩も首も頭もしずむ しずむ
村のみんなのかわりになって
八郎「わかったーおらがなして
今までおっきくなりたかったか おらはこうして おっきくなっておっきくなって
こうしてみんなのためになりたかったんだ
うんでねがわらしこーわらしこーわらしこー」
♪しずむ八郎
しずむしずむしずむ
おっきなおっきなおっきな体が
しずむしずむ
村のみんなのかわりになって
ちっちゃなあわこをのこしてしずむ♪
村人
「うんだ うんだ うんだ」
「おめえのおかげで おめえのおかげで」
「おらがたたすかったとやあ」
「ありがてこった おめえの事は忘れねえぞ
八郎ー八郎ー八郎ー
八郎のしずんだ波この上には
ちっちゃなあわこ ぱちぱち
まるでまるで
八郎がわらったように
みえらとしぇ
海はドピーンドピーンと
沖のほうに行ってせ
ドピーンドピーンと
魔黷驍オかなかったと。
今でも八郎がけっぱるのでよ
八郎鷹の波はしずかだとよ
白帆がツーイツーイと走るのよ
♪フィナーレ
八郎八郎八郎
こころやさしい八郎の
秋田の国のものがたり
伝え語られうけつがれ
いまもこころにいきている
心きれいな八郎の
秋田の国の物語
つたえかたらーれうけつがれ
今もこころにいきている
八郎八郎八郎ー
終了。